メンタルが病みがちな博士生活ではカウンセラーの助けを借りるのも一つの手です
博士課程では孤独に研究作業を進めて周囲とのつながりが皆無になることもあるかと思います。
この時に研究がうまくいかなくて精神を病むことになる人もいるかと思いますし、私も周囲に頼れる人がいなかったこともあり大分メンタルをやられました。
私はこの鬱々とした状態が数年続いたのですが、中退までの最後の2-3年は大学内の相談窓口のお世話になっていました。
今から思えば早い段階で利用するべきだったなと思いますので、カウンセリングで自身の感情を整理することについて記載したいと思います。
研究が上手くいかないことによる精神的ダメージ
博士課程では研究に多くの時間と労力を費やすものの研究は必ずしも思い通りに進むとは限りません。
実験が失敗したり、論文がリジェクトされたり、指導教員との関係が悪化したりすることもありますし、それらを起因として精神的に追い込まれることもあり得ます。
そうなると研究に対する理想と現実のずれから自分を責めたり、無気力になってしまい、自分の心身の健康に悪影響を及ぼすだけでなく、研究の質や進捗にも悪影響を及ぼす可能性があります。
こうした状況では自分の感情を無視するのではなく、受け入れてあげることで、ストレスや不安を軽減することができますし、自分の感情を吐き出すことも重要です。
感情を吐き出す相手について
研究がうまくいかないときには孤立感や劣等感を抱くことも多いでしょうし、巷では、信頼できる人に相談することを推奨されることが多いと思います。
例えば、同じ研究室の仲間や友人、家族やパートナーなど、自分が心を開ける人で、相談することで、自分の気持ちを整理したり、違う視点やアドバイスを得たりすることができると結ばれているかと思います。
ただ、博士課程で研究がうまくいっていない状況であると、そういった相手だと研究室の仲間は自身と比べて研究が上手くいっている劣等感、就職した友人であれば社会的に自立をして次の人生ステージに進んでいる疎外感、家族であれば学費を出してもらっている負い目や研究生活に対する無理解など、素直に相談をしづらい壁があったりします。
ちなみに上記の例は全部私が当時感じていたことで、こうした状況ではプロフェッショナルなカウンセリングを受けることも一つの手段です。
カウンセリングでは専門的な知識や技術を持ったカウンセラーが、学生の悩みや感情に寄り添ってくれ、気づきや解決策を導いたりします。
もちろん研究そのものに対する直接的な助言は専門外なので期待はできませんが、自身の感情を吐き出せる相手がいるのは非常に気持ちが楽になります。
カウンセリングはメンタルコントロールに使える一つの例ですが、自分の心身の健康を大切にして、研究やに取り組むことができるように活用してみるのもよいでしょう。
カウンセリングの相手
実際にカウンセリングを依頼するにあたり、学内の相談窓口、メンタルクリニック、オンラインカウンセリングなどの手段をとることができるでしょう。
大学の学生相談窓口
大学にもよりますが、学生向けの相談窓口が設置されていることがあります。
まずはこちらに訪問して相談を依頼してみることが手軽かと思います。
学内設置の窓口の方であれば、学生が陥りがちな研究に関する悩みについては、相談者の感情の整理・吐き出しの助けになってくれるでしょう。
ただ、一点注意したいのは教授との関係が悪化している場合です。この時は大学や窓口によっては相談者の状況が教授に共有される可能性があります。
本来は守秘義務があるので情報共有は違反ですが、万が一起こると状況がさらに悪化しかねないので、その場合は外部機関の利用のほうが望ましいでしょう。
大学周辺のメンタルクリニック
大学周辺のメンタルクリニックであれば、学生の悩みに関する経験を多く持つ先生がいるかと思います。
大学の学生課などにそうしたクリニックへの紹介や連絡先一覧なども置いている場合もありますので、一度探してみるのも手です。
そして訪問前に一度HPを確認して自身の求めるカウンセリングを行ってくれそうか確認してから予約を取ってみるとよいでしょう。
オンラインカウンセリング
周辺にたよれる機関がない場合はunlaceやcotreeを始めとした、オンラインカウンセリングという手もあります。
ただ、この場合はカウンセラーの専門の幅が広く、カウンセラーの相性や能力の差によって望ましい結果が得られるかわからないという問題があるかと思います。
類似のサービスを含めてカウンセラーを検索してみて、相性がよさそうな人がいれば利用してみるのも一つの手でしょうか。
最後に
私は最終的に博士中退という道を選びましたが、理想は博士学位をとってアカデミックな研究者の道を歩むことでした。
この記事をご覧になった方がカウンセリングを一助として研究生活ひいてはその後の人生をご自身の望む形にしていくことを願っています。